シーン1。罠にかかっているタヌキを捕らえたお爺さん。
スポンサーサイドの意向で主役に採用した不動産会社の社長がさぁ、「悪役は嫌だなも」とか言ってドタキャンして困ってたんだよねぇ。すぐさま代役を見つけてきたジミーちゃん、さすが!
シーン2。お婆さんをダマして自由になり、後ろから襲い掛かるタヌキ。
カメラは真正面だからね。表情、重要だよぉ。いいね、いいよその顔。ジミーちゃん、彼はいい役者になるよ。あの無機質な表情がたまらないね。
シーン3。狸汁ならぬお婆さん汁を食べさせられ、打ちひしがれるお爺さん。
ジミーちゃん、あの鍋の中は本当は何が入ってんの?本物を使っているって?料理スタッフからイノシシの牡丹鍋って聞いているよ。えっ、だから本物だって?どういうこと?
シーン4。タヌキの背負った柴に火打石で火を付けるウサギ。
ジミーちゃん、あのカチカチって音は本物?えっ、カメラマンのハニワちゃんが鳴らしているって?へぇ、器用だね。ハニワちゃん、今度食事でもどう?
シーン5。泥船が溶け出し、溺れるタヌキ。
ジミーちゃん、海の向こうのカチカチ山の最後は、親指を立てながら溶鉱炉に沈むんだってさ。うちの映画も最後親指立てながら沈んでいかない?えっ、それは違う話だって?別にいいじゃん、格好いいじゃん。駄目?
撮影スタジオ全景。
ところでジミーちゃん、なんで屋内のシーンを屋外でやって、屋内のシーンを屋内でするの?合ってんの、最初と最後だけじゃん。予算の都合?ああ、主役するはずだった社長の不動産会社が、スポンサーから抜けちゃったからねぇ。今度訴えようかな。勝てるよね?